秋を通り越して一気に冬が来たような感じですね。

今日は皮膚のことをお伝えしたいと思います。

「保湿剤も一緒にください」

診察室でよく言われる言葉です。なぜ保湿剤が必要なのでしょうか。

「乾燥しているから」「カサカサするから」「かゆそうにするから」

様々な答えが返ってきますが、その症状は本当に保湿剤の処方でよいのでしょうか。保湿剤でよいと思われたならご自身で購入してください。病院で処方する保湿剤は「お薬」です。ハンドクリームやボディクリームとは違います。外用薬です。必要な方には必須な薬です。

先日、驚きの受診をされた方がいます。

5歳の女の子:他院で4か月前に保湿剤を処方された。薬がなくなったので欲しいと受診。お薬手帳を見ると同一成分のローションタイプの保湿剤とクリームタイプの保湿剤が処方されていました。使用方法はどちらも「乾燥するところに」という指示でした。それぞれの詳しい塗り方を質問したところ、最初にローションを塗ってそのあとで同じところにクリームを重ねて塗るように言われたとのことでした。

???同一成分のものを同じところに重ね塗り???

こんな使い方で処方をするドクターいません!!!!化粧品であればローション塗って、乳液塗って、最後にクリーム、という塗り方は一般的だと思います。病院から処方されたものはお薬です!!同一成分のものを重ねて塗っても効果が増強することはありません。

継続して外用薬が必要であれば経過を継続して診てもらう先生を決めてください。あるときはA病院、別の時はBクリニック、たまに当院という受診はやめてください。皮膚の状態は外用薬を塗ると変化します。最初の状態が理解できないと継続治療の要否が判断できません。

とりあえず保湿剤が欲しい、家のストックがなくなった、もらっておいたら他の兄弟も使えるから、という理由での保湿剤処方は当院ではお断りしています。

もちろん外用薬治療が必要な方には処方しています。外用薬の種類も増えたので、症状の強さ・広がり・かゆみの強さなどを考慮して様々な組み合わせで治療していきます。虫刺されやかぶれのような一時的な皮膚トラブルでない限り原則継続定期受診が必要になることを覚えておいてほしいと思います。