マイコプラズマの勢いが止まりません。。。どのように診療を進めるのがベターなのか、、、毎日葛藤です。
9月末ごろから当院でも咽頭からのマイコプラズマ迅速検査を導入しました。感度が50%程度しかないため渋っていたのですが、ここまでの状況になると致し方なし。感度が悪いことを最初に説明しつつ検査をしてみると…
意外にも3回続けて陽性反応が出ました。以前のキットよりも精度が上がったのかと喜んで使い始めましたが、、、その後は不発。明らかに症状はマイコプラズマなのに陽性になりません。。。症状が強く、大きな病院へ紹介するとやはりマイコプラズマの診断だったりします。
この違いは何なのか・・・いっぱいいっぱい考えました。
まずは迅速検査で陽性になった例を紹介します。
5歳の女の子:10/3夜から発熱し、以後日中は解熱するも夜になると40度になることを繰り返し10/5夜から咳も出てきたため10/6受診。肺の音はきれいだが熱が続いていたため血液検査を実施。炎症反応軽度上昇あり通常の抗生剤を処方。しかし、以後も昼過ぎから40度になることを繰り返すため10/9再診。咳症状強く、診察室でずっと咳込み症状からもマイコプラズマの診断がつくほどだったが、キットを導入したので検査をしたところ陽性反応。抗生剤の種類を変更しすみやかに症状改善。
もう一人紹介します。
7歳の男の子:10/4から乾いた咳、10/6から39度の発熱、10/7から咳込みがひどくなり受診。扁桃腺に膿が付着しており溶連菌を調べるも陰性、風邪薬処方。10/7ー8は微熱、10/9夜に38.4度となり10/10再診。肺音はきれい、待合でもずっと咳をしている状態だったので導入したばかりのマイコプラズマ迅速検査を実施したところ陽性であり抗生剤処方し症状改善。
迅速検査では喉に綿棒を入れてばい菌をキャッチしますが、マイコプラズマは肺で増殖することが一般的です。喉を綿棒でこすってもいないことが多いです。かと言って肺まで綿棒を入れることはできません。
今回の5歳の女の子は発症から1週間以上経過していることと、診察時にずっと咳をしていたので肺の菌がのどまで上がってきていたのでは?と考えます。
7歳の男の子は咳症状からの発症であり、5歳の女の子と同じくずっと咳をしていたことが正確な検査結果につながったのかもしれません。(正直なところ、症状からはマイコプラズマを強く疑う状態ではなかったです。。。)