今年はかわいいりんごちゃんをいっぱい見ています。大阪でも警報級の流行をみせているりんご病、ほっぺが🍎のように赤くなるので「りんご病」というあだ名のついた感染症、正式な病名は「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」です。『紅斑』というのはふくらみのない赤いぶつぶつの事を指します。典型的には腕の内側や太ももの内側に赤い網目状、レース状と表現される赤い発疹が出ます。この紅斑は少し熱をもって熱くなることもあれば少し痒くなることもあります。パルボウイルスB19というウイルスが原因の感染症なので特効薬はありません。

私が初めてりんご病の診断をしたのは実は研修医時代の自分自身でした。両腕の内側が赤くなってとても痒く、鏡を見るとほっぺも赤い。当時の研修先の病院(現JCHO大阪病院)の皮膚科の先生に思わず質問しました。「これってりんご病ですよね?」と。皮膚科の先生は冷静に「発疹の分布をみるとそうだと思います」と返答されました。この時に皮膚病の診察をするときはぶつぶつの分布をとらえることが大事なんだと学びました。

特効薬がないのでかゆみ止めだけ塗って様子をみていましたが、とにかく体がだるい、しんどい。先輩の先生に相談したところ「たぶん肝臓やられてるよ」とあっさり返答。そこで血液検査をしたところ、あらびっくり!!本当に肝臓の数値が正常の7倍に上がっていました。。。前出の先輩の先生いわく「やっぱりね。ゆっくり休んで」と。

日々奔走していた研修医時代。「ゆっくり休んで」と言われても熱もないので休むわけにもいかず、、、でも、なんでしんどいのか原因がわかってちょっとほっとしたことを覚えています。

りんご病は「ほっといていいよ。学校も行っていいよ」と軽く言われがちですが、体のだるさが残るときは私のように血液検査をしてみてください。決して単なる怠け事を言っているのではないことがわかるかもしれませんよ。