こんにちは。ゴールデンウイークは楽しく過ごせましたか?

さて、最近の受診傾向としてはやはり熱の子が多いです。しかし、、、、何が流行っているという感じはありません。何を検査しても陰性の結果が多いです。おそらく「夏風邪」。

ところで、「夏風邪」って何でしょうか。代表的なものとしては『咽頭結膜熱(プール熱)』『手足口病』『ヘルパンギーナ』と一般的に言われますが、実は夏に流行するウイルスの種類がありそれによって発症している風邪をすべてさします。そして、そのウイルスには特徴があります。

突然の高熱・咳や鼻水などは目立たない・ぶつぶつが出る・おなかが緩くなるなどです。

高熱はインフルエンザなどでも出ますが、夏風邪ウイルスによる発熱は高熱のわりに元気です。咳・鼻水などほとんどないので表情はすっきりしています。すぐに熱が下がる場合もあればなかなか下がらず熱だけ続くということも多いです。

夏風邪にかかった時の注意点としては、熱だけで元気な場合は慌てず様子を見ても大丈夫です。夏風邪はほとんどウイルスなので特効薬はありません。風邪症状があれば風邪薬を処方しますが、ほとんど咳や鼻水は出ないので該当しません。しいて言えば解熱剤のみです。解熱剤もしんどそうでなければ無理に使わなくても大丈夫です。時々「暴れて解熱剤が使えない」という相談を受けます。抵抗できる元気があれば解熱剤は不要です。「ああ、元気が残ってるんだなあ」ととらえてもらって大丈夫です。

様々な検査キットがあるため、検査で○○が陽性です、と言われないと何だかすっきりしませんが、夏風邪ウイルスには検査はありません(一部例外はありますが・・)。症状を見て診断します。これだけ流行するのになぜ検査キットがないのか・・・それは重症になりにくいからという理由の裏返しです。命にかかわる病気であれば検査キットが開発されます。新型コロナがその例です。もともと子どもの風邪はコロナウイルスです。今まで重症化がほとんどなかったので検査キットは開発されませんでしたが新型コロナは今まで人には感染されないとされていたコロナウイルスが人に感染しどんどん亡くなっていったので検査キットが開発されたのです。

夏風邪に限らず子どもの高熱で共通していることは『元気さが残っているかどうか』それがポイントです。多少の高熱が続いても元気であれば問題ありません。慌てずゆっくり休ませてあげてください。