少し涼しくなりましたが、まだまだ暑いですね。

現在、外来では検査キットで判定が出ない熱が長く続く子が多いです。受診してきたときは元気そうに見えますが、夕方以降は熱が出るとのことでお困りになり毎日受診される方もいます。

検査キットですぐに診断がわかる場合は良いですが、すべて陰性だった場合に次の検査を進めていくことになります。今回は熱と咳が4日以上続く3人のケースをご紹介します。

K. A君:2歳0か月の男の子です。16日の夜から38.4度の発熱、その後も38-39度の発熱が持続し19日当院を受診。肺の音はきれいでしたが湿った咳が気になりました。検査をしたところヒトメタニューモウイルスが陽性反応でした。風邪薬を処方し改善。

K. S君:4歳10か月の男の子です。13日に37.8度の発熱があり14日他院受診し薬をもらうも16日の夜から咳、再度37.7度の発熱、最高39度になり17日当院を受診。インフル・コロナ・アデノ陰性、ぜーぜーしていたので気管支を広げる薬を処方しましたが咳が悪化、38度前後の熱が3日間持続し19日再診。酸素濃度は保たれていたものの肺の聴診ではゴロゴロした気管支肺炎の音がしました。血液検査で炎症反応が5以上であり細菌性肺炎と診断し抗生剤処方。翌日から解熱し元気になりました。

A. Kちゃん:1歳4か月の女の子です。17日朝方から38.5度の発熱、たまに咳あり同日当院受診。インフル・コロナ陰性。熱以外の症状が軽微であり解熱剤のみ処方。以後発熱持続し咳が増えてきたため19日に再診。血液検査では炎症反応上昇ごく軽度であり咳の風邪薬処方するも37度後半から38度の熱が持続、咳も悪化したため24日再再診。聴診でぜーぜー聴こえるようになってきたため異形肺炎(マイコプラズマなど)を狙って抗生剤処方。徐々に解熱、咳改善。

S. Yちゃん:2歳3か月の女の子です。9日から咳・鼻水。13日当院受診し風邪薬処方。19日から鼻水が増えたため再診。肺音変わりなく薬継続処方。27日から咳が出てきたため再再診。肺音はきれいだがドロドロの鼻水であり副鼻腔炎と診断。抗生剤処方し軽快。

S. Yちゃんは熱はありませんが、同じ咳と熱でも診断結果、治療方針が全然違います。流行っているものを考慮することも大切ですが、個々の症状をしっかり見極めてあげないと症状が長引いてしまうことになります。また、「抗生剤」と言っても種類はたくさんあり、どの抗生剤を使うのが良いかは原因によって様々です。すぐに診断が出ずモヤモヤすることもあると思いますが、様々なことを頭に巡らせながら診療を進めています。診察室では見えないお家での状態を詳しく聞かせていただけるとありがたいです。