アトピー性皮膚炎の治療の基本スタイルは保湿と外用薬です。湿疹があるところに保湿剤と外用薬を重ねて塗ります。(重ね塗りが難しい場合は少し変化球で対応したりします)

赤い湿疹やぶつぶつがある場合は誰でも薬を塗りますよね。治ったらおしまい、塗ることをやめます。それで再発しない場合は良いですが、また出てきてしまう場合はプロアクティブ療法に移行します。また湿疹が出てくる場合というのはアトピー性皮膚炎の事が多いので、つまりアトピー性皮膚炎の治療はプロアクティブ療法が基本ということになります。

アトピー性皮膚炎の治療は湿疹がなくなったら終わりではないんです。外用薬をやめても湿疹が出ない状態がゴールです。ではどうしたらよいのか・・。アトピー性皮膚炎は塗り薬をやめたら再発する病気だから・・・どうするの????

見た目の皮膚がきれいになって湿疹がなくなっても皮膚の下では炎症が残っていると考えます。そこで、きれいに見える皮膚の下に残っている炎症に対して治療を継続していきます。つまり、塗り薬を続けるのです。続けるといっても今までと同じことをするのではなく、皮膚に気づかれないようにゆっくりフェードアウトしていきます。保湿剤は朝晩2回を継続しつつ、外用薬を最初は朝晩2回塗り続け、きれいになったら夜1回に減らします。その後1日おき、2日おき、3日おき、4日おき、1週間に1回などゆっくりゆっくり減らしていきます。湿疹が出てきたときは一時的に外用薬の回数を増やして対応します。最終的には保湿剤のみでコントロールできるようにする事が最終ゴールです。

最近は皮膚に関心を寄せてくれる方が増え、早めに受診をしてくれるせいか、以前のように小学生以上になってもアトピー性皮膚炎のコントロールが悪くひどい湿疹が残っている子は減っているように感じます。わが子の皮膚がつるつるになると自然と触れたくなりませんか?以前のブログでも書いたようにたくさん触れてもらった子は精神状態も健やかに成長します。皮膚がきれいになると一石二鳥、いいことづくめですよ。