ワクチンについて
ワクチンの種類やスケジュールをご紹介します。
同時接種をおすすめしている種類もありますので、ぜひ合わせてご確認ください。
不活化ワクチンHib(インフルエンザ菌b型)感染症
鼻咽腔で増殖したHibが血液内に侵入し、髄膜炎、敗血症、肺炎、骨髄炎などを起こす可能性があります。
死亡例や後遺症が残る例もあります。
冬期に流行するインフルエンザウイルスとはまったくの別物です。5歳未満の発症が多く、生後6か月以降にヒブによる細菌性髄膜炎が増えてきます。
不活化ワクチンプレベナー(小児用肺炎球菌)
肺炎球菌は乳幼児の鼻や喉に定着している常在菌です。免疫力や抵抗力の低下により菌が体内に侵入すると発症します。髄膜炎、敗血症、中耳炎、細菌性髄膜炎を起こす可能性があります。
2歳未満の乳幼児で特にリスクが高く、死亡例や後遺症が残る例もあるため、ワクチンによる予防が必要となります。
不活化ワクチンB型肝炎
B型肝炎ウイルスに感染すると、キャリア(ウイルス保有者)となり、キャリアの約10%の人は慢性肝炎を発症し、肝硬変、肝臓がんへと進行する可能性が高くなります。
出産時のお母さんの血液や輸血、唾液や汗などの体液でうつります。
四種混合(DPT-IPV)
ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)を予防します。
ジフテリア
ジフテリア菌による感染症で、発熱、咽頭痛などを発症します。ジフテリア毒素を大量に出し、神経麻痺や心臓の筋肉を侵し死亡する例もあります。
百日咳
百日咳の菌により、風邪のような症状で始まり、その後咳が激しくなります。特に生後6か月未満では、無呼吸発作を起こし死亡することもあります。
破傷風
破傷風菌が傷口から入り、破傷風毒素により発症する感染症で、顔の筋肉が動かしにくい・痙攣や手足の硬直が起こります。呼吸筋が麻痺し死に至ることもあります。
ポリオ
ポリオウイルスの感染により、発熱、頭痛、嘔吐などの症状を伴う髄膜炎が現れます。まれに麻痺が残ることがあります。
生ワクチンMR
麻疹(はしか)と風疹(三日ばしか)を予防します。
麻疹
麻疹ウイルスは高熱、咳、鼻水などの風邪症状で始まり、いったん熱はさがりますが、再び高熱となり発疹が現れます。
麻疹にかかった数年~10年後に亜急性硬化性全脳炎をおこし死に至ることがあります。
風疹
風疹ウイルスによって発熱、発疹、リンパ節の腫れが起こります。重症になると血小板減少性紫斑病や農園を合併することがあります。
妊娠20週頃までの妊婦が感染すると、胎児に奇形を生ずることがあります。(先天性風疹症候群)
スケジュール
- ●第1期:生後12か月~生後24か月未満
- ●第2期:標準的な接種は、1歳のときに1期を1回接種し、年長さんのときに2期を1回接種します。
1歳になったらできるだけ早く接種をしてください。
水痘ワクチンとの同時接種をおすすめします。
生ワクチン水痘
「みずぼうそう」とも呼ばれ、水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染によって起こる全身性感染症です。主な症状は強い痒みを伴う発疹、発熱です。合併症としては、肺炎、髄膜脳炎、血小板減少性紫斑病等がまれにあります。
不活化ワクチン日本脳炎
日本脳炎ウイルスはブタ→蚊によって感染し、まれに脳炎症状を起こすことがあります。
特に幼小児では死亡のリスクが高く、神経学的後遺症が残ることがあります。ヒトからヒトへ移ることはありません。
スケジュール
- ●第1期:定期接種では生後6か月以上~90か月未満(標準的には3歳以上4歳未満、第1期追加は2回目から1年後以降)
- ●第2期:定期接種では9歳以上13歳未満
生ワクチンロタウイルス
ロタウイルスは年齢にかかわらず何度でも感染しますが、症状は初感染時が最も重症です。
主な症状は急性胃腸炎で、脱水、痙攣をおこすことがあります。
ワクチンの種類とスケジュール
- ●ロタリックス(1価):2回接種
2回の接種により、最も一般的な(G1中和抗原)を含み、G1以外の(G2、3、4、9)に対しても予防効果を発揮します。
生後6週以降から初回接種を開始し、4週間隔をおいて生後24週までに2回接種します。 - ●ロタテック(5価):3回接種
5種類のロタウイルス遺伝子型を含み、予防効果が認められています。
生後6週以降から初回接種を開始し、4週間隔をおいて生後32週までに3回接種します。
接種後の注意
- ●ロタウイルスワクチン接種後7日以内に腸重積証のリスクが増加するといわれています。腸重積症の主な症状は、繰り返す嘔吐、イチゴジャムのような血便、機嫌が悪くぐずっているなどです。このような症状がみられた場合は、すぐに受診してください。
- ●ワクチン接種後7日程度は、便中にウイルスが排泄されますので、おむつ交換後は普段以上に手洗いを徹底してください。
生ワクチンおたふくかぜ
耳の下やあごの下が腫れて痛がります。腫れは1日~3日でピークになり、1週間ほどでひきます。熱は3~4日で落ち着きます。
髄膜炎や脳炎、治らない難聴(片方)を合併することがあります。
スケジュール
標準的には12~15か月に1回目の接種を、予防効果を確実にするために、5~6歳に2回目の接種を推奨しています。
不活化ワクチン子宮頸がん
女性の子宮の入り口付近にできるがんで、日本では20~40代の女性を中心に毎年約1万人が新たに子宮頸がんと診断されています。子宮頸がん患者の9割が子宮摘出等の手術や抗がん剤治療が必要になり、子供を産むことができなくなる方も少なくありません。
ほぼ全ての子宮頸がんがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるもので、17歳未満でHPVワクチンを接種すると子宮頸がんの88%を防ぐことが報告されています。
接種対象者
小学6年生(4月2日生まれ)〜高校1年生(4月1日生まれ)の女子
スケジュール
標準的な接種間隔は、初回接種、2か月後、初回から6か月後の合計3回接種