こんにちは。やっとセミの声が聞こえるようになり、夏休みになったなあ・・・と改めて感じている毎日です。
今年はりんご病(伝染性紅斑)が警報級に発症しておりますが、その中でもでてきました、夏風邪さん。夏風邪については昨年のブログ『夏風邪』ってなあに?に記載していますので参照してください。
今年の夏風邪の主流はどうやらヘルパンギーナのようです。ヘルパンギーナの主な症状は高熱とのどの痛みです。小さい子では喉の痛みを的確に表現できる子は少ないので、見てわかる症状は高熱でしょう。喉の痛みは「食事が進まない」といった症状で見られますが、小さな子では「よだれが増える」も当てはまります。人は実は刻々と分泌される唾液をまるで呼吸をするかのように無意識に飲み込むなどすることで対処しています。しかし、喉が痛いと自分の唾ですら飲み込むのが痛いので小さな子ではよだれを出しっぱなしにするのです。
喉をライトで見ると大小さまざまな大きさの口内炎が見えます。口をしっかり開けてくれる子であれば診察の時にママたちにも見てもらうことがあります。皆さんだいたい「うわっ、痛そう。。これではご飯食べへんわ。」と首をすぼめます。
ヘルパンギーナの熱はしょせん夏風邪なのでそこまでしんどいことはないので、気にすべきことは食事・水分が摂れるかどうかです。喉が痛い間は食事は無理せず、しかし、水分は摂らないわけにいかないので喉にしみない飲物をちびちび飲ませてください。
喉の口内炎はしばらく残りますが、痛みのピークは半日から1日程度です。そこを乗り切れば問題ありません。登園の目安は『①熱がないこと②ご飯が半分くらい食べれること③元気なこと』これがクリアできることです。
しかし、ここで一つ注意です。夜だけであっても3日以上続く熱の場合はヘルパンギーナに特有の所見があったとしてもほかの感染症が合併している可能性があります。熱が続く場合は必ず受診をしてください。血液検査でばい菌感染の可能性を調べる必要があります。
また、最初は喉の所見のみでヘルパンギーナと診断される子でもその後に手足にぶつぶつができる場合は「手足口病」に病名が変わります。ヘルパンギーナも手足口病も似たようなウイルスが原因であり出てきた症状により病名が変わる夏風邪です。ヘルパンギーナも手足口病も『風邪』として咳や鼻水でほかの人にうつりますが、それ以外に便の中に1か月程度ウイルスが排出されると言われているので便からもうつる可能性があり便の処理をする時もお気を付けください。