皆さん、こんにちは。
子どもさんが風邪ひいた!
さあ、耳鼻科にかかりますか?小児科にかかりますか?どっち??
喉より上、つまり鼻水のみ、耳が痛い、のどが痛いなどであれば耳鼻科でも十分診察してもらえると思います。むしろ、耳鼻科のほうが得意分野の場合もあります。しかし、咳が出ている場合はぜひ小児科を受診していただきたいです。喉からくる咳もありますが、耳鼻科の先生は聴診器で呼吸音を聴くことは一般的にはしないので喘息・気管支炎・肺炎の診断は行いません。咳がひどい場合にはぜひ小児科を受診してください。咳があっても「のど風邪」「はな風邪」ということもありますが、それだけではない場合も多々あります。
私自身、10年ほど前に『扁桃周囲膿瘍』にかかりました。喉が激痛過ぎて夜も眠れず唾が呑み込めないので、ずっとタオルを口に当ててよだれを拭いていました。とうとう40度の熱も出てしゃべることもできなくなりました。さすがにこれは内科ではない、と悟った瞬間でした。連休の中日だったので救急病院を受診し、ファイバーでのどの奥を診てもらいました。息苦しさもありこのまま窒息するのではないかと不安がありましたが「のどの奥は空間が保たれているから大丈夫だよ」と言っていただき非常に安心したことを覚えています。
小児科では鼻水を吸ってくれるところは少ないかもしれませんが、当院では重要な処置として日々多数の鼻水吸引を行っています。例えば、ぜーぜーと喘息のような音がしていても実は鼻水がのどに落ちてきてその鼻水が上下に行ったり来たり動くことでぜーぜーと音がしているだけのことが1歳前後では多くあります。その場合は吸入よりも鼻水吸引が大きな威力を発揮します。
鼻水吸引をすると嫌がって泣く子も多いですが、処置が終わった後はすっきりした表情の子も多いです。きっとおいしい空気が吸えるようになったからでしょうね。
ちなみに私の扁桃周囲膿瘍は連日ステロイド+抗生剤の点滴を行ったにもかかわらず改善せず入院となり、喉の奥をメスで切って膿を出していただき無事に回復しました。この処置も耳鼻科ならではです。
耳鼻科と小児科を上手に使い分けてください。